明日ちがう屋根の下

夫婦世界一周3年半の旅!73の国と地域へ訪問!大まかな旅路→フィリピン留学→オーストラリアワーホリ→NZからアラスカへ渡り陸路でアルゼンチン最南端ウシュアイアへ→南アフリカから陸路でエチオピア→キルギスから陸路でヨーロッパ→中東→南アジア→東南アジア→中国→韓国→帰国!

世界一周への想い再燃

社会人3年目となる2011年、年も暮れ仕事も年度末で大忙しの時期に、ある男から一通のメールが届いた。「チャリで福岡帰省せん?」その男は、年末年始休暇を利用して、東京から我々の地元である福岡までチャリで帰ろうと言うのだ。正直はじめは、乗り気ではなかった。年末年始の地元での忘年会、正月家族と過ごすのは1年の一番のイベントとも言えるからだ。年に一度の大イベントと引換にチャリで帰省。休暇をほとんどサドルの上で過ごすことになる。しかし、その男は私のだらしない休日の過ごし方を変え始めてくれていたのも事実。そう、その前の年の夏の暮れ、彼から「チャリで山手線一周せん?」の一言から、家の玄関で約1年半置き物になり、埃まみれのチャリを引っ張り出してくれたのだ。それから頻繁に関東一帯の観光地をツーリングするようになった。徐々に昔の気持ちを身体が思い出してきていた。週末の朝はだいたい二日酔いで寝ていたが、彼とのツーリングは約200km圏内の観光地へ行き、帰りは電車という日帰り旅行をしていたため、必然的に早朝出発となる。前夜に出ることもあった。そうして、必然的にお酒を控えなければいけなくなったのだ。いわゆる、アゲメンである。(笑) その男は、高島君。会社同期であり、同郷という奇跡の男だ。彼との旅を通じて、徐々にあの本を思い出していた。チャリ旅魂も再燃し始めていた。そんな、彼への感謝の気持ちと、地元へ自転車で帰省するという大きなチャレンジ、旅路の風景や出会い、毎日の晩酌(チャリ後の飯、酒は格別)を想像すると完全に乗り気となった。返信までに1週間ほどかかった気がする。

そうして、4泊5日の年末年始のロングライドは始まった。この旅は期待を裏切らなかった。年末年始のという時期的な背景も後押ししてか、感動もひとしおだった。旅中に年を越し、関門海峡が見えた時には達成感でいっぱいだった。そして、僕のチャリ旅魂は100%大学生の時に戻った。今度は、僕から相棒にメールを送った。「今度は北に行こう」。偶然にもその年のGWは暦がよく9連休を取れたのだ。目指すは、最北端「宗谷岬」だ。この旅は想像を超える旅となった。特に北海道は景色が違う。そして更にエキゾチックになったのは、名寄(旭川から北に100kmほど行ったところ)からだ。あれは最終日だった。だだっ広い大地に一本の道。車も人もいない。そんな道を二人で併走していた。そして、ふと顔を見上げたとき、鹿の群れが視界に入り目の前の道路を横断している。今までにこんな景色は見たことがなかった。普段はほとんどの時間を都会で過ごしているので、都会の景色が当たり前になっていたので、その時目の当たりにした視界が同じ世界とは考え難かった。日本にもこんな景色があるのなら、世界の景色はどこまで凄いのだろう。想像するだけで胸が熱くなった。その時、自転車世界一周が夢ではなくて目標になった。本当にやろう。しかし、その数日後既に、また東京での多忙な日々が始まった。具体的な計画はないまま日々はさっそうと過ぎていった。忙しいときもふと頭に、数年後に世界中を走っている自分を想像しては、胸が熱くなる反面、本当にそんなことができるのか自問自答を妄想するたびに繰り返していた。その年の夏、同じ課の先輩である宮本さんと韓国を縦断した。彼も奇跡の人物だ。社会人になってせっかくの休みを無茶苦茶な自転車旅行に費やせる人はめったにいないと思う。しかし存在した。しかも同じ課に(笑)。この旅は更に、自転車世界一周の目標を間違いないものとした。特に釜山に入る際の丘から見える景色は、鳥肌が立った。海外チャリ旅を終え、具体的な計画を進める予定が、また現実の世界へと舞い戻った。考える時間はなく、休日も仕事をするようになった。極めつけに、貯金なんてない。それどころか、恥ずかしい話しマイナスだった。それとお金とチャリがあれば世界一周を出来るわけじゃない。自炊、キャンプ、自転車のメンテナンスを自分でできるようにならなくてはいけない。相棒たちと日本中、韓国と数多くツーリングしてきたが、野宿はしたことがなかった。一度日本で野宿旅をしてみよう。11月に9連休をもらい、関東一周野宿旅を計画した。しかし、前日まで最終決断を下せないでいた。仕事が気になるのだ。世間の休みではないため、世の中は通常通り流れている。9日仕事から離れると復帰後、仕事が回らなくなる......やめよう。。結局、関東一周野宿旅は計画倒れに終わり、自己嫌悪に陥った。関東一周もできない俺が世界一周に旅立てるはずがない。そして、また日々の仕事に忙殺されていく。半年前に北海道の広大な大地の上で誓った目標は、また夢に舞い戻ってしまったようだった。

世界一周ブログランキングに参加しました。宜しければクリックお願いします。

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村